ココがポイント
皇學館大学は日本には2校しかない神道を学び、卒業と同時に神職を取得できる非常にレアな大学である。しかも、伊勢神宮のおひざ元という事で、伊勢神宮との連携も深く、神道に興味がある方、神道を本格的に勉強したい方にはとてもおすすめな大学である。




皇學館大学の歴史
1882年(明治15年)に伊勢神宮祭主であった久邇宮朝彦親王の令旨によって、 伊勢神宮の学問所であった林崎文庫に設置された神宮皇學館を母体としている。
神宮皇學館は主として神職や教員の養成にあたり、1903年には官立の専門学校を経て、1940年に官立大学(いわゆる現在の国立大学)となる。伊勢という地に国立大学があったというのも驚きである。
しかしながら、第二次世界大戦終結後は国家神道を推進した機関の一つとして神道指令を受けて一度は廃学・解散してしまう。ちなみに、神道指令とは国家神道の廃止、政治と宗教の徹底的分離、神社神道の民間宗教としての存続などを指示したものである。
その後、大学関係者らによって再興期成会が結成され、1962年に私立大学として再興された。ちなみに、1882年から考えると130年以上の歴史を持つかなり由緒正しい大学という事になる。
就職先としては、三重県内に多くの教員を輩出している事で有名である。また、一般の学生でも、神職をとって神社で働く人も居る。
大学キャンパスは伊勢市倉田山の中にあり、周りに遊ぶ場所はほとんどないため、自然豊かな環境で勉学とキャンパスライフに専念することが出来る。アルバイトかサークル、クラブ活動に力を入れるのが普通の学生ライフかも知れない。まあ、大学の周辺にいくつかの飲食店はあるので
<大学案内パンフレット>
https://edu.career-tasu.jp/p/digital_pamph/frame.aspx?id=8273700-0-3&FL=0
キャンパスマップ
〒516-8555 三重県伊勢市神田久志本町1704
近鉄宇治山田駅より徒歩20分程度(自転車があれば10分以下で到着可能)
もちろん、大学内に学生食堂やコンビニもある。ちなみに、周辺には伊勢でダントツの進学校である伊勢高校や、倉田山中学校、皇學館中学・高校もあり、一大学生区を形成している。
三重県の大学偏差値ランキング
皇學館大学は三重県では津にある国立三重大学についでランキング2位の大学と言われている。三重大学は流石の国立大学ということで高い偏差値を誇っているものの、皇學館大学の教育学部も地方にある大学としてはなかなかのものである。
ちなみに、三重大学の周りには本当に何もないが、まだ伊勢には飲み屋などもあり、すこしはキャンパス以外の学生生活を楽しむことが出来る。
第1位 三重大学 (医学部) [公立] 70.6
第2位 三重大学 (教育学部) [公立] 58.2
第3位 三重大学 (生物資源学部) [公立] 56.2
第4位 三重大学 (人文学部) [公立] 55.8
第5位 三重大学 (工学部) [公立] 54.7
第6位 皇學館大学 (教育学部) [私立] 54.5
第7位 三重大学 (医看学部) [公立] 53.7
第8位 三重県立看護大学 (看護学部) [公立] 52.8
第9位 四日市看護医療大学 (看護学部) [私立] 52.3
第10位 鈴鹿医療科学大学 (保健衛生学部) [私立] 51.9
第11位 皇學館大学 (文学部) [私立] 48.4
第12位 鈴鹿医療科学大学 (薬学部) [私立] 42.8
第13位 鈴鹿医療科学大学 (医用工学部) [私立] 42.6
第14位 皇學館大学 (現代日本社会学部) [私立] 41.0
第15位 四日市大学 (経済学部) [私立] 40.5
学部と偏差値
学部別の偏差値は以下の通り。よくよく見ると神道学科の偏差値はそんなに高くないので、神職を目指す人がいたらかなり狙い目である。
①文学部
神道学科…偏差値35
国文学科…偏差値45
国史学科…偏差値47.5
コミュニケーション学科…偏差値40
②教育学部
教育学科…偏差値50
③現代日本社会学部
現代日本社会学科…偏差値40
文系のみの大学のため学生数はそんなに多くはない。また、外国からの留学生もそんなに多いわけではない。留学に行く学生は多いわけではないんが、それなりには居るようである。
【学生数】2972人
【外国籍の学生数】21人
【教員数】213人
【外国籍の教員数】9人
授業料については一般的な私立大学とほぼ同等である。高くもなく、安くもなく、という感じであろうか。ちなみに、学生寮がキャンパス内にあるので、学生寮に住めば生活費もかなり抑えられるようである。
文学部/1,230,000円
教育学部/1,300,000円
現代日本社会学部/1,250,000円
最大の特徴である神職について
皇学館大学の最大の特徴は、やはり神職になる道があるという事である。ちなみに、親が神社の関係者でなくても、まったくの一般人でも下記の過程を終了すれば良い。大きな神社の宮司クラスを目指すならば、国学院大学か皇学館大学を卒業することが最善の道であると言われている。
<大学パンフレットより>
神道学科の所定の課程を修了することで正階、さらに必要な実習を行うことにより明階が授与される。神職の階位は以下の通り。明階は神職としてはかなり高い階位のため、一般人がこれを取ることが出来るのはかなり凄いことである。
浄階(じょうかい)階位の最高位で、長年神道の研究に貢献した者に与えられる名誉階位
明階(めいかい)別表神社の宮司及び権宮司になるために必要な階位。この階位であれば、勅裁を要する伊勢神宮の大宮司以外ならどこの神社の宮司にもなれる
正階(せいかい)別表神社の禰宜及び宮司代務者になるために必要な階位
権正階(ごんせいかい)一般神社の宮司及び宮司代務者、別表神社の権禰宜になるために必要な階位
まとめ
というわけで、今回は伊勢市民でさえあまり知らない皇学館大学の秘密を説明してきました。日本に2つしかない神道を学べる大学ってすごいですよね。ちなみに、皇学館大学のすぐ隣には神宮徴古館(博物館のようなものです)や神宮美術館もあるので、一度見に行ったついでに皇学館大学まで足を伸ばしてみることをお勧めします。
ちなみに、日本に神社は10万社以上あると言われているが、神職は2万人程度しか居ないため、興味があるならば勉強してみてもよいと思う。